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【不動産】新設住宅着工戸数は5年ぶり前年割れ。沖縄の不動産は大丈夫?

※この記事は、令和2年1月初頭に書いた記事です。コロナの影響はあれど、わりと正確に分析ができていたと思うので、あえて削除せず残しています。ご参考まで。


沖縄の建設ラッシュは終わった?
2019年12月31日付の琉球新報電子版から。
沖縄県内の不動産を巡る環境で気になる記事が掲載されていました。

これをみると、「沖縄の不動産、大丈夫??」ってなりますよね。

今までが絶好調だったので、ちょっと不安になってきたような・・・

いろいろな潮目が変わってきた、という発端となる記事だと思いますので、
少しポイントを整理していきます。

記事のポイント

以下ポイントを記載します。

  • 2019年県内新設住宅着工戸数は5年ぶりに前年割れの見通し。
    前年まで4年連続で増加していた。
  • 特にアパート等貸家(以下アパート)で着工数が減少、
    供給過多や不透明感を指摘する意見も出ている。
  • 19年11月末の項目別実績は、
    アパートなどの貸家が前年同期比18・6%減の8,489戸と大きく減少
    持ち家は同10・5%増の2,691戸、
    マンションなどを含む分譲が同17・2%増の2,602戸。
  • 分譲住宅の伸びは、比較的安価な木造工法が大きく寄与。

着工戸数の全国との比較 なぜ沖縄だけ伸びていたか?

アパート着工数が全国的に減少する中で、沖縄県内では需要が落ちていませんでした。

県内のアパート建設ラッシュが続いていた原因は?理由として考えられるのは、以下です。

  • 人口が自然増減・社会増減とも増加している
  • 特に自然増減は全国で沖縄県だけ
  • 社会増減に大きく寄与しているのも若年層や外国人のため、賃貸需要は保たれていた
  • 実は沖縄県は全国一持ち家比率が低い (2018年・総務省統計局)
  • まだ県内地銀は個人の地主に積極的に融資していた

これらが、新設住宅着工戸数の前年割れという形で減退傾向にあるというのです。

アパート着工戸数鈍化の要因は?

まず、全国的にアパート建築着工数は前年比割れの状況です。
これを前提として県内のアパート着工戸数鈍化の要因を探っていきますと以下が考えられます。

  • 全国一の地価上昇率 →固定資産税の増加傾向 (いつか下がります)
  • 人件費・資材コストの上昇 →建築費の増加傾向 (たぶん二度と大きく下がりません)
  • アパートの供給過多 →賃料の据え置き・値下げ

アパート等貸家着工数の減少は、業界内では一昨年ごろから指摘され始めていました。

これらに加え、県内でもスルガ銀行の融資問題を遠因とする融資引締め
無関係ではありませんでした。

琉球銀行・沖縄銀行・沖縄海邦銀行・JA・ろうきんといった主要な金融機関は
審査基準を従来より厳しくしています。
優良な地主を長期に渡って支えてきた沖縄振興開発金融公庫も、
自己資金として建築費の10%を求めるようになっています。

ちなみに、沖縄県内で木造住宅の人気が上昇しているのは、
台風と白アリ対策の技術が向上し徐々に浸透しているからです。
従来RC一択で、選択肢になかった平屋・二階建の木造建築の需要が高まっていることが
分譲住宅の伸びを下支えしています。

 

投資マインドの変化は沖縄にも?

残念ながら、地銀の融資がつかない以上、今までのように地主の意向を最優先に
アパート建築計画を組むことは難しくなっています。

地価の向上や相続税適用範囲の拡大(必ずしも全員が不動産を買うとは限りません)、
民法改正で遺留分侵害額請求時に金銭を準備する必要性が増したことも、
アパート建築よりも売却=金銭化が進む傾向にあるのかと予想します。

そうすると、土地を仕入れたディベロッパーはアパート・マンションよりも
利回りが高い商業施設に注力していく流れにあると思います。
人口は放っておいても増えていますからね。

 

今後20年の予想

現在の沖縄県内には、本当にアパートに適していると言い切れる土地はそう多くありません。
(建て替えや分譲マンション等は別)

あることはあるのですが、所有者の代替わりがない限り動かない土地がほとんどです。
(ここは沖縄固有の問題が複雑に絡んでいるので、いつかまとめたいと思います)

相続が発生した直後、家族が納税資金のため安価で売却、
業者がより利回りのいい商業施設を建築、
今後20年はこのような流れになると思います。

 

沖縄で賃貸経営をこれから始めるべき?

以上から、利回りは確実に三大都市圏に劣る沖縄において、
これからアパート建築を始めるには相当な理由が必要になりそうです。
今まで動かなかった地主が急に動くことはあまり考えられませんが、
もうすでに地合いが減退傾向にありますので、
信託を利用したスキーム等、ノウハウを持った業者選びが重要だと思います。

 

まとめ:アパート建築着工はひと段落。業界の再編も

沖縄の賃貸住宅はまだ飽和状態ではありませんが、
外部環境がじわじわと減退しているので、いずれ沈静化するのではないでしょうか。
すでに契約を終えている方は大丈夫ですが、
現在沖縄で土地を持っている人は、今まで以上に出口戦略が重要になってきます。

業界としても、中古物件売買やリフォーム専業などへ、
業態を変える業者も増えてくるのではないでしょうか。
代替わりも進んでいませんので、M&Aや事業承継案件も増えると思います。

 

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
今後とも、情報提供していきたいと思います。

 

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  • この記事を書いた人

オキイチ

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